サントリー美術館(赤坂9)で12月17日から歌川広重の代表作を集めた展覧会「殿様も犬も旅した 広重・東海道五拾三次 ― 保永堂版・隷書版を中心に ―」が開催される。主催は同美術館と読売新聞社(中央区)。
歌川広重は「東海道五拾三次」で知られる江戸末期の浮世絵師で安藤広重とも呼ばれる。代表作の「東海道五拾三次」は1833年に保永堂と僊鶴堂から共同出版されたもので、これがベストセラーとなったため、広重は生涯で20種以上の「東海道物」を製作、ゴッホやモネなどの作家にも影響を与えたと言われる。
同展では、保永堂版の「東海道五拾三次内」と1849年頃に寿鶴堂から出版された東海道物である「東海道」(画中の題が隷書で書かれているため「隷書東海道」と呼ばれる)を一挙に展示する。今回の展示では「くらべる」をテーマに、会場を構成、同じ場所を描いた保永堂版と隷書版を並べることで、両者の構図やモチーフの違いを比較したり、最初に摺られた「初摺(しょずり)」と摺り方などが一部変えられた「後摺(あとずり)」や、一部の図様が改変された「変わり図」を比較して見ることができる。
開館時間は10時~18時(金・土・12月22日は20時まで)。入場料は、一般=1,300円、大学・高校生=1,000円、中学生以下無料。12月20日、27日、30日~2012年1月1日休館。2012年1月9日には特別公演「人間国宝・一龍斎貞水とめぐる東海道」も開催。