六本木に1月11日、岩手食材をメーンとしたワイン居酒屋「ヌッフ デュ パプ」(港区六本木7、TEL 03-6459-2235)がオープンした。
店舗面積は35坪、席数は42席。大きなガラス張りの明るい店内はオレンジ色をアクセントにまとめ、入り口に置いた肉の熟成庫には岩手のブランド肉が並ぶ。
岩手・盛岡で16年続く同店。オーナーの伊東拓郎さんは東京出身だが、勤務していた東京の百貨店の酒蔵が業態変更したことで職を失い、交流のあった客に誘われ盛岡の同店を任されたのがきっかけ。2006年からは店を譲り受け経営も担当。現在盛岡に系列店3店舗を展開している。
「百貨店で在庫を持たないよう販売していくのと違って、ワインセラーでしっかり寝かせてから提供するなど、真逆の世界だった。食材に関しても知らないことだらけ。地元の生産者からいろいろなことを学んだが、その素晴らしさに気付いていない生産者も多く、自分が伝えていかなくてはと思った」と伊東さん。
「東京で岩手食材の素晴らしさを伝え、フィードバックすることで生産者のモチベーションにもつながる」と東京出店を決意。震災の影響で大変な時期もあったが、「久しぶりに温かくておいしいものを食べて生きる希望が湧いてきた」という客の言葉に食の重要性を確信したという。
料理は、十年来共にメニュー開発を行い、調理師学校でフレンチの講師も務める及川淳至さんが担当。岩手食材を使ったフレンチベースで、「ジャンルにこだわらず『おいしいもの』にこだわる」。短角牛、白金豚プラチナポーク、ホロホロ鶏、麦香豚など岩手のブランド肉をはじめ、地元食材の特性を知り尽くした知識を駆使し料理する。「放射線汚染のない食材を扱うので安心してほしい」とも。
「八幡平サーモンのマリネと金のモッツァレラを軽く炙って」(950円)や「麦香豚のフロマージュ・ド・テート」「佐々木農園のサラダ雑穀のヴィネグレッド」(以上900円)、「白金豚のパテ・ド・カンパーニュ」(1,000円)、「短角牛の山の木ブドウ煮込み」(2,500円)などのほか、熟成庫から「本日のおすすめ」など。ドリンクは、それぞれ岩手産をそろえたビール(600円~)やワイン(グラス=700円~、ボトル=2,980円~)など。
「店の目の前に出雲大社の東京分祠(ぶんし)がある。東京と盛岡の縁を結ぶ場所になってくれれば」と伊東さん。
営業時間は17時~24時。