六本木で9月19日、「ソーシャル防災訓練」が実施された。主催は、ヤフー、Twitter Japan、J-WAVE、森ビル(以上、港区)の4社。
第2部では東京の1000分の1模型(森ビル制作)を前に防災レクチャーが行われた
手持ちのスマートフォンやタブレット端末から、ヤフーが提供する「防災速報」アプリと、Twitter Japanが提供するツイッターにアクセスしながら参加できることを条件に、100人弱が参加した。
スタート地点のアークヒルズでは、主催各社の災害への取り組みを紹介。「初めての訓練なので、気づいたことがあればできるだけたくさんツイッターにつぶやきを残してほしい。そのことを課題とし、継承していきたい。(ソーシャルメディアについて)知らなかった情報をなるべく多くの人に伝えてほしい」 と、ヤフー・ソーシャルアクション室室長の佐竹正範さんが説明した。
東京で大規模地震が発生したと仮定するプッシュ通知を合図に、主催各社が避難場所を知らせるツイートを開始。参加者は「観光客」という設定で各自の知恵や情報をツイッター上で共有し、一時滞在施設として開設されたという設定の六本木ヒルズ・大屋根プラザまで、約1.5キロの距離を歩いて避難した。途中、通行障がいが発生した階段や、けが人がいるというトラブルが設定され、デマ情報に惑わされない情報収集と発信、救助要請などの対応が求められた。
ツイッター上に集まった「♯ソーシャルメディア防災訓練」のハッシュタグには、「高速道路が倒壊していなければ大通りが安全?」「歩道橋は怖いがほかに渡る術がない」「写真添付のツイートは重く表示までに時間がかかる」「古いモバイルだと必要な情報にたどり着くのが困難」「バッテリーの減りが心配」「倒壊の恐れのある建物が多く、慣れない街でのルート選びが難しい」などと、参加者のさまざまな情報、意見が集まった。弱視というハンディのある伊敷政英さんは、「情報収集しながら歩くのは大変。六本木ヒルズ内の地図は位置が高く、色のコントラストが弱いので見づらい。(アプリに)音声読み上げ機能がうまく作動しない部分があった」と意見を漏らした。
Twitter Japanパートナーシップディレクターの牧野友衛さんは「現在、災害時にツイッターを使って救援要請できるよう消防庁と話し合っている。東日本大震災のときも(ソーシャルメディアを)知っている人は率先して使っていた。情報収集の一つとして活用してほしい。周りで知らない人がいたら、ぜひ広めてほしい」と呼び掛けた。