日本デザイン振興会(港区赤坂9)は10月1日、2012年度のグッドデザイン賞の受賞結果1108件などを発表した。
「グッドデザイン・ベスト100」に選ばれた「古民家再生住宅」
グッドデザイン賞は1957(昭和32)年に通商産業省(現経済産業省)により創設された「グッドデザイン商品選定制度」に始まるもので、1998年に民間移管されて以降は日本デザイン振興会が審査を行い、工業製品だけでなく、建築、環境、コミュニケーション、サービスなど、さまざまな分野の「グッドデザイン」を顕彰している。
本年度から大きくリニューアルし、「インタラクション」「仕組み」をキーワードに「口当たりの良い商品ではなく、作る段階で優れた創造性を発揮するもの」を評価するため、「組みかえる力」を評価する特別なチームを編成し、従来の審査方法と合わせることで複眼的な見方で審査を行ったという。「グッドデザイン・ベスト100」も新たに選出。受賞対象の中でも特に「明日を切り開く力をもったデザイン、未来を示唆するデザイン」を100件選定し、「これから実践しなければならないデザインを具体的に示す」という姿勢を明確にした。
ベスト100に選定されたのは、幅広いユーザーが所有したくなるような魅力を感じさせる「適正なデザイン」と評価されたパナソニックの「資源循環型商品群」、家族や仲間との関わりの重要さを改めて思い起こさせてくれる「インタラクションのデザイン」と評価された10のカードゲーム「Rocca」、朝型ライフスタイルへのシフトを提案する「仕組みのデザイン」と評価された丸の内朝大学企画委員会の「丸の内朝大学」、古民家の資産を生活を豊かにする素材として生かす「新価値を創造するデザイン」と評価された井川建設設計事務所の「古民家再生住宅」など。
これら100件は11月25日に発表される特別賞各賞の候補となり、10月末から11月初旬にかけて六本木エリアで開催される「グッドデザイン・ベスト100 デザイナーズプレゼンテーション」で、受賞デザインを手掛けたデザイナーが公開プレゼンテーションを行う。