文化審議会が12月14日に開催した同審議会文化財分科会で、東京タワー(港区芝公園4)をはじめ、新たに126件の建造物の登録を答申した。
歴史上、芸術上、学術上価値の高いものを総称して「有形文化財」とするが、重要なものを「重要文化財」に、さらに世界文化の見地から特に価値の高いものを「国宝」に、そして1996年、保存および活用についての措置が特に必要とされる文化財建造物を、文部科学大臣が文化財登録原簿に登録する「文化財登録制度」を導入。
同登録制度は、近年の国土開発や都市計画の進展、生活様式の変化などにより、社会的評価を受けるまもなく消滅の危機に晒されている多種多様かつ大量の近代などの文化財建造物を後世に幅広く継承していくために作成。今回、27都道府県44市町村(区)126件の登録を答申したことにより、近日中に行われる官報告示を経て累計9262件となる。
1958(昭和33)年に建設された東京タワーは、日本を代表する建築構造家・内藤多仲さんが設計指導し、高さ333メートルと、建設当時にはエッフェル塔を凌(しの)ぎ、自立式鉄塔として世界最高を実現。戦後日本の復興の象徴として、高度経済成長の原点として、広く親しまれている。
このほか東京では、旗岡八幡神社絵馬殿(品川区)、平田家住宅主屋(足立区)なども登録される。