森ビル(港区六本木6)の「六本木ヒルズにおける街づくり」が「2014年 都市計画学会賞<石川賞>」を受賞した。主催は日本都市計画学会(千代田区)。
同賞は、都市計画に関する独創的、または啓発的な業績による都市計画の進歩、発展に顕著な貢献をした個人または団体を表彰するもの。
受賞理由として、開発プロセスにおける多数の地権者との合意形成や事業化に至る経緯も注目されたことのほか、「まちをつくる」段階から「まちを運営する」段階まで一貫して行ってきた都市再生であること、新しい文化・情報を発信し続けることで地域の発展に貢献していることなどが挙げられている。
阪神淡路大震災などの教訓を踏まえて安全・安心な「逃げ込める街」に向けた多くの取り組みも評価された。中でも平常時から100%の電力を供給しているガス常用自家発電を備え、電力会社からの受電、オイルによる発電のバックアップ体制も備えたエネルギープラントが、2011年の東日本大震災の電力需給逼迫(ひっぱく)時にも電力を途絶えることなく供給し、節電などで生まれた電力を東京電力に供給して社会に貢献するなど、その有効性も実証された。
受賞理由書には、「六本木ヒルズが、文化・エネルギー・防災など『街』と拠点機能を東京都心部に形成する上で重要な要素に、ハード整備と整備後のマネジメントの両面から取り組んできた内容は、21世紀初頭を代表する大規模都市開発のモデルとして高く評価されるべき」との記述もある。
受賞に際し、同社常務執行役員の北川清さんは「六本木ヒルズのまちづくりだけでなく、その後の取り組みを評価いただき、大変光栄に思う」とコメントを寄せる。