国立新美術館(港区六本木7)で12月9日から、現代美術の公募展「シェル美術賞展2015」が開催される。
同展は1956(昭和31)年に創設された公募展で、今回が44回目。若手作家の発掘を目的に開催するもので、応募条件は40歳以下。今年はグランプリは該当なし、準グランプリ2点、審査員賞3点、審査員奨励賞3点、入選46点を選出した。
準グランプリに選出された石井奏子さんと矢島史織さんはともに1976(昭和51)年生まれ。「雪の研究」で選出された石井さんは女子美術大学出身で、作品について「私にとって絵とは、掃除、ご飯を作るのと同じような毎日の日課。絵は自分に『大丈夫だよ』と言って励ましてくれる不思議な存在」とコメント。「モンスター」で選出された矢島さんは多摩美術大学出身で、作品について「わたしの中で大きなチャレンジが実を結ぶ結果となったことは、これからの制作に大きな影響を及ぼすと思います。常に向上心を持って納得のいく作品を作り続けられるよう努力したい」とコメントする。
同展では受賞・入賞作品全53点を展示するほか、過去の受賞者・入選者の作品を展示する「シェル美術賞 アーティスト セレクション(SAS) 2015」も開催。SASは2012年に開始した企画で、受賞者の活動をサポートする目的で行うもの。今後の活躍が期待される作家を審査員などが選出し、新作などを展示する。今年は、2012年に審査員賞を受賞した内藤亜澄さん、2008年に入選した浦野みおさん、2013年に入選した伏見恵理子さん、2012年に入選した牛嶋直子さんを選出した。
開催時間は10時~18時(金曜=20時まで)。火曜休館。入場料は一般=400円など。今月21日まで。12日14時~15時には、受賞作家と審査員長の本江邦夫さんらのトークショーを開催する。