美術館への来館頻度が最も少ないのは東京--森ビル(港区六本木6)が12月19日に発表したアート意識調査の結果で、東京における現在のアートに対する意識が紹介されている。
調査はインターネットで行われ、東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、上海の5都市において、18歳以上の学生や社会人1,006人(東京=206人、他各200人)を対象に行われた。調査時期は今年11月。
「年に1回以上美術館に行く割合と年間平均回数」の項目ではロンドンが首位で、91%が年に1回以上美術館に行き、年間平均3.9回の美術館訪問となった。対する東京は、75.7%と1.9回という結果。5都市の中で最下位となった。
調査結果では、どの都市でも休日に美術館に行く人が多く、一方で平日に美術館に行きたいと思う人の割合(年に1回以上美術館に行き、現在休日のみ行っている人の内)が過半数を占めているが、「職場/学校の近くに美術館がないから」「平日の夜遅くまで開館していないから」(以上東京における上位)などの理由で、平日に行けないという結果も示した。
このほかの調査結果では、「美術館に求めるもの」(複数回答)の項目で、東京が「気分転換」(64.1%)が首位。他の都市では、ニューヨーク・ロンドンが「非日常的な刺激」(各55.1%・56%)、パリが「教養」(83.2%)、上海が「心のやすらぎ」(76%)が首位となったほか、「日常生活において『アート』(文化・芸術)に触れていると感じる時があるか」の項目では、上海の63.5%が「はい」と解答し、東京の31.1%等と比較して高いアートへの接触意識を示した。