百度(バイドゥ、港区六本木6)は1月23日、展開する検索サービス「百度」の日本向けサービスを本格的に開始した。
百度は2000年1月に創業した百度公司(本社=北京)が提供するウェブ検索サービス。「Google」や「Yahoo!」に次いで世界第3位の利用者数(2007年8月の月間利用者数、米Comscore社調査)を記録しており、中国国内では利用率約7割(中国iResarch調査)で、他の検索サイトを押さえてシェアナンバーワンを誇る。
日本法人は2006年12月に設立され、六本木ヒルズ(六本木6)森タワー内にオフィスを構える。2007年3月に日本語版サービスとして「Baidu.jp」のベータ版をリリース。10月には動画検索機能(ベータ版)を追加し、今回ブログ検索機能(ベータ版)を加えて、正式サービスとして本格始動する。
日本語版は世界進出の第1号となり、「User First, User Friendly」を開発コンセプトに掲げる。同社によれば「百度のサーチエンジン基盤は、日本語や中国語など漢字を使う『ダブルバイト』を基本としており、『シングルバイト』である英語圏のサーチエンジンと比べ、日本語との親和性が高いのが特徴」といい、同社の舛田淳取締役は「検索結果を表示するまでの平均処理時間は0.05秒。競合サイトと比べても最速級」と話す。
日本での事業展開について舛田氏は「日本ユーザーの8~9割はヤフーやグーグルを利用している。まずは『検索エンジンの第2の選択肢』として『セカンドサーチエンジン』のポジションを目指す。また、ウェブ検索を主軸にクオリティーを高め、ユーザーの欲する情報に対して的確に応えていく」という。また、日本のユーザーについて「同程度のリテラシーを持つ人が多いが、趣味嗜好が非常に細分化されていると考えている。流行語や略語、ギャル語など一部の世代が利用する言葉、方言など多様」と分析。検索キーワードの意味やサイト上におけるリンクの意図なども考慮に入れ、「日本の文化・文明に即した検索サービスを提供していきたい」と話す。
収益モデルについては「2008年は現状のプロダクトを向上させ、まずユーザーに利用してもらうことが目標。2009年は認知度を上げ、他のサイトやモバイルとの連携を図り、トラフィックの拡大を目指す。中国での収益源の柱は広告で、日本でも2010年までにはメディアとしての価値を向上させ、広告を主軸に収益化を目指す」(同)という。舛田氏は「日本での展開が初の世界進出。これを足がかりに、主にダブルバイトであるアジア圏を候補として、世界展開を視野に入れたい」と話す。