国立新美術館(港区六本木7)で2月9日、「シュルレアリスム展」が始まった。日本で開催されるシュルレアリスムの展覧会としては最大規模で、ポンピドゥーセンター所蔵の絵画、彫刻、写真、映画など約170点を5つの章に分けて展示する。
シュルレアリスム運動はアンドレ・ブルトンの「シュルレアリスム宣言」によって始まったとされるが、同展ではその前の「ダダ」の時代から、ブルトンの死までの約50年を5つの章に分け、それぞれの時代にどのようなテーマで運動が展開されたかに焦点を当て作品を展示する。
展示作品は、マルセル・デュシャン、ジョアン・ミロ、ルネ・マグリット、ダリなどの著名作家のものに加えて、マッソンやブローネルといった日本ではこれまであまり紹介されてこなかった作家の作品を大きく取り上げ、シュルレアリスム運動の全体像を見取り図として描けるような構成になっている。
同展を監修したポンピドゥーセンター・パリ国立近代美術館のディディエ・オッタンジェ副館長は「芸術作品とは、そのまま眺めるためのものではなく、見るもの自身の精神を開かせて、見る人と世界との関係を変え、さらには世界そのものを変革しようするものであるというシュルレアリスムの意図を読み取ってほしい」と話す。
開催時間は10時~18時(金曜は20時まで、火曜休館)。入場料は大人1,500円ほか。オッタンジェ副館長の記念講演会(2月11日)、巖谷國士明治学院大学教授の講演会(3月12日)シュルレアリスム映画上映会(2月26日、4月9日)、親子向けイベント「しゅるれありすむを学ぼう」(4月2日)も開催予定。5月9日まで。