東京タワー(港区芝公園4)で1月15日、日本初の漬物コンテスト「T-1グランプリ2011」の決勝大会が開催された。
個人の部準グランプリに輝いた五十嵐裕希さんとプレゼンターの小倉優子さん
「漬物で日本を元気に」をコンセプトに企画された同コンテスト。全国を5ブロックに分け、オリジナルの漬物レシピを広く募集した。応募総数は法人部門118社、個人部門426人。書類審査を経て、昨年11月~12月にブロック大会を開催。ブロックごとに決定した個人の部グランプリ1人と法人の部最高金賞1社が、同決勝大会でエピソードや作品への熱い思いをプレゼンテーションし、対戦した。
審査員には、全日本漬物協同組合連合会常任顧問の前田安彦さん、野菜ソムリエのKAORUさん、特別審査員として、タレントの小倉優子さん、芸能リポーターの井上公造さん、コラムニストの勝谷誠彦さんが参加。一般審査員100人による実食審査の合計点数と合わせて決定する。
「『漬物』という言葉をオックスフォードの英英辞典に載せたいと思っている。そうすると、『津波』という言葉の上に『漬物』が来る。日本はこんなに元気だぞと世界に知らせたい」と同コンテスト実行委員長の林英邦さん。
法人部門グランプリに輝いたのは、大地のりんご(北海道網走市)の「ガツンと辛い山わさび粕漬け」。オホーツク地域で昔から食べられていた山わさびを使ったが、「とても辛く商品化は非常に珍しい。野菜の歯応えが良かった」と評した前田さん。準グランプリには、秋本食品(神奈川県綾瀬市)の「長ねぎの焦がしねぎ油漬」が選ばれた。
個人の部グランプリに選ばれた長野県・前澤アツ子さんの「下諏訪の恵み あっちゃん漬け」は、「瓜に詰めた4つの食材(ニンジン、ショウガ、ミョウガ、青ジソ)のバランスが良い」と前田さん。準グランプリの奈良県・五十嵐裕希さんの「和風らー油べっぴん奈良漬」は、「家庭の味を超えている。奈良漬とラー油を合わせるとこんなにおいしいんだとビックリした」と小倉さん。
グランプリには賞金10万円と賞状、副賞、準グランプリには賞金5万円と賞状、副賞が贈られた。ほかに個人部門賞として、野菜ソムリエ賞に福岡県・東紀子さんの「芥屋かぶ さくら漬け」などが選ばれた。
総評として「ユニークで独創性のあるものばかりだった。50年漬物を食べてきたが、こういうやり方もあるのかと驚いた」と前田さん。林さんは「世代を超える日本の文化『漬物』を通じて、地産地消、地域振興、地域復興を目指す」と意気込みを見せた。