街中に設置されたリスニングポイントでアーティストのオリジナル音源を聞くことができるサービス「Musicity Tokyo(ミュージシティ東京)」が3月24日、六本木でスタートする。主催はブリティッシュ・カウンシル(新宿区)。
ミュージシティは2010年にロンドンで生まれた音楽プラットフォーム。アーティストが、その場所をテーマにしたオリジナル音源を制作し、楽曲ごとにリスニングポインを設置。リスナーはスマートフォンのGPS機能を使用することで楽曲にアクセスし、ストリーミングで楽しむことができるサービス。英国では「デザイナーズ・オブ・ジ・イヤー」デジタル部門にノミネートされるなど注目を集め、東京以外にもシンガポール、ベルリン、オスロでサービスを開始する予定。
ミュージシティ東京は3月24日、六本木エリアの13カ所のリスニングポイントでスタート。参加アーティストは日本からは、井上薫さん(六本木ヒルズ66プラザ)、中島ノブユキさん(東京ミッドタウン)、Righteous(西麻布交差点)、やくしまるえつこさん(乃木坂郵便局と2カ所の郵便ポスト)など9組。イギリスからはフィンク&初音ミク(ニコファーレ)、ゴーストポエットさん(鳥居坂)ら4組。リスニングポイントで聴いた楽曲は後でウェブサイトからのダウンロードも可能になる。
六本木を選んだ理由について、担当者は「80~90年代には、WAVEやCINE VIVANT六本木などもあり、西麻布周辺からはクラブカルチャーが全国に発信され、後の音楽シーンにも強い影響を残した。音楽の新しいプラットフォームを作る意味において重要なエリアであり、六本木アートナイトの開催と同時に始めることで、領域を横断していろいろなリスナーを獲得することができると考えた」と話す。
アーティストの選定は、日本側は音楽ディレクターの山崎真央さんを中心に、英国側はミュージシティ創設者であるニック・ラスコムさんを中心に行う。六本木・西麻布のクラブシーンの中心的存在だった井上薫さん、矢部直さん、ECDさんなど「六本木のカルチャーや音楽シーンに深く関与していたアーティストが特徴。それぞれ六本木での思い出や、その場所に対する思いを曲にしていただいているので、曲を聴くとその背景とのつながりが興味深いものになるのでは」とも。
リスニングポイントはホームページで確認できる。六本木アートナイト期間中にはスペシャル・ライブイベントも予定する。24日19時30分=オオルタイチ×珍しいキノコ舞踊団、同21時30分=中島ノブユキさん、25日15時=蓮沼執太さん。いずれも無料。