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六本木で革職人の作品展示-駒大生が資金集め実現、パトロン50人が共鳴

辰(たつ)年の記念と縁起を担いで制作した「ドラゴンアート」を手にするTADYさん(左)と馮さん(右)

辰(たつ)年の記念と縁起を担いで制作した「ドラゴンアート」を手にするTADYさん(左)と馮さん(右)

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「六本木三ツ星酒場 朝日食堂」(港区六本木7、TEL 3402-6797)で5月12日、駒沢大学3年生の馮意欣さんが集めた資金により、彫り士歴49年のレザーカービング職人・TADYさんの作品「ドラゴンアート」の完成展示会が開催される。

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 「ソーシャルな世の中になり、情報を上手に利用できる人にとっては便利になったが、それはほんの一部。インターネットに触れず、スマートフォンを持たず、ソーシャルとかけ離れている人たちはたくさんいる。だけど、本当に情報を必要としているのはそういう人たちなのでは」と疑問を投げかける馮さん。そんな折、ソーシャルとは無縁のレザーカービング職人・TADYさんと出会い、クリエーティブなアイデアをパトロンの支援で実現するサイト「CAMPFIRE(キャンプファイア)」で、「売れる市場を職人とつくる」をコンセプトに「AD-ONプロジェクト」を立ち上げた。

 同システムは、パトロンが投資するだけの支援ではなく、パトロンの別の欲求を満たすことで成り立つのが特徴。同プロジェクトの場合、一口500円~30万円まで9段階に分けて、食事券やTADYさんの作品進呈、披露パーティーへの招待などの特典を設定。「お返しがあることで欲求が満たされるので、プロジェクトに共鳴した人が気軽に支援できる。途中経過を追い、完成を一緒に祝うことでパトロン同士のコミュニケーションが広がり、TADYさんの活躍の場も増える。職人の技を知ってもらえるだけでも価値がある」と馮さん。

 目標額の30万円は50人のパトロンにより今月5日に達成。TADYさんは現在60×80センチ大の「生まれて初めての大きさ」という革にドラゴンのカービングを施し、完成に向けて突き進む。「若い人と話す機会が増え、(世の中の流れに)驚いている。年齢のギャップを感じず話せるのがうれしい。若い人が知らないことを伝えていく語り部が今の日本に必要なのでは」とTADYさん。

 完成作品は今月12日以降、TADYさんと古くから縁のある「朝日食堂」の壁に半永久的に飾られる。営業時間は18時~翌5時(初日18時~20時はパトロンのみの貸し切り)。TADYさんの工房で「カービングアート講座」も予定する。

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