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森美術館でリー・ミンウェイさん個展-参加するアート

見知らぬ人と1対1で食事をすることで関係性を築く「プロジェクト・ともに食す」を紹介するリーさん

見知らぬ人と1対1で食事をすることで関係性を築く「プロジェクト・ともに食す」を紹介するリーさん

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 森美術館(港区六本木6)で9月20日、アーティスト、リー・ミンウェイ(李明維)さんの初の大規模個展「リー・ミンウェイとその関係展:参加するアート-見る、話す、贈る、書く、食べる、そして世界とつながる」が始まった。

会場でもらったお花を、帰り道で見知らぬ誰かにあげる「ひろがる花園」

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 台湾出身、ニューヨーク在住のリーさん。1990年代後半以降、現代アートの世界では観客の参加によって成立する作品やプロジェクトが「リレーショナル・アート」「関係性の美学」として注目を集め、大きな広がりを見せてきた。リーさんもまた、さまざまな観客参加型のアートプロジェクトを展開し、国際的に活躍してきた一人。同展では、リーさんの作品を網羅的に体験できるミッドキャリア・レトロスペクティブ(一定のスタイルを確立した中堅アーティストの数十年間の仕事を網羅的に見せる展覧会)となる。

 リーさんの代表的な作品や新作を含むプロジェクト15点に加え、これらを歴史的、文化的な文脈から読み解く試みとして、白隠、鈴木大拙、ジョン・ケージ、イヴ・クライン、李禹煥(リ・ウーファン)、アラン・カプロー、リクリット・ティラヴァニ、小沢剛、田中功起など、ほかのアーティスト、宗教化、思想家の作品や言葉も併せて紹介し、展覧会がより重層的で豊かな知的体験となるよう構成した。

 「開幕の時点では、展覧会の完成度はまだ40%」とリーさん。例えば「プロジェクト・ともに食す」では、リーさんまたはホストが見知らぬ人と1対1で食事をし、対話をする中で関係性を築く。「プロジェクト・繕(つくろ)う」では、観客が持ち込んだ衣類や布をリーさんまたはホストが繕い、その間に観客とホストの間でコミュニケーションが交わされる。「ひろがる花園」では、ギャラリー内の花を一輪もらえる代わりに、その花を帰り道に見知らぬ誰かにあげなくてはいけない。

 参加型作品は、ギャラリー内で誰もが参加できるもの、事前に申し込んで参加するもの、抽選に当たった人だけが体験できるものなど、さまざまなタイプがある。

 開館時間は10時~22時(火曜は17時まで。9月23日、12月23日は22時まで)。入館料は、一般1,500円、学生=1,000円、子ども=500円など。2015年1月4日まで。

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