六本木に12月2日、メスカルバー&グリル「La Mezcaleria JICARA Bar & Grill(ラ・メスカレリア ヒカラ バー&グリル)」(港区六本木7、TEL 03-5411-8731)がオープンした。経営は、リードオフジャパン(港区)。
店名の「JICARA(ヒカラ)」は、メスカルを飲むときの器の名前
日本初のCRM(CONSEJO MEXICANO REGULADOR DE LA CALIDAD DEL MEZCAL、メキスコメスカル品質統制委員会)公認のバーで、メスカル約200種をそろえ、「アジア最大級」という同店。店舗面積は約50坪、席数は、立ち飲みスペースを含め約50席。内装は、スケルトンから2カ月かけて、中南米の大統領のサロンのイメージに仕上げた。
メキシコの蒸留酒で、マヤ・アステカ時代には神前にささげられ、さまざまな儀式にも用いられていたというメスカル。原料はAGAVE(アガベ、日本名ではリュウゼツラン)だが、同じアガベを原料としたメキシコを代表する蒸留酒テキーラとは異なる。メスカルはさまざまな品種のアガベを原料とした酒全般を指すのに対し、テキーラはメキシコの特定の地域で、ブルーアガベ一種のみで作られる「メスカルの一種」。
40種類以上のアガベが原料として認められているメスカルは、葉を落としたあとの根茎(ピニャ)を地中に掘った穴の中で蒸し焼きにし、数日かけていぶすことでカラメルのような香りを付ける。その後、大きな石臼を用い、器具を付けた馬やロバが周囲を歩くことで、加熱後のピニャをひき、自然発酵させる。
ほぼ手工業で、数百年来の製法をほぼそのままなぞって作られるメスカルは生産量も少なく、毎回同じ味に仕上がるというわけではない。手作り感あるスモーキーな味わいは、メキシコではテキーラ以上に人気で、ニューヨークでもメスカルバーが誕生し始めているという。
30数年前、メキシコに留学してからライフワークとして中南米の文化を伝え続けてきた同社の渡邊弘之社長は「400種類のテキーラをそろえるAGAVE(港区)も最初は全くお客さんが入らなかったが、粘り強く続けた結果、テキーラブームが訪れ、現在では世界一のテキーラバーと言っていただいている。メキシコではテキーラはもちろんメスカルもよく飲まれているんだ、ということを一人でも多くの人に知っていただき、はやらせたい」と意気込む。
メスカル1杯1,000~5,000円。メスカルに合わせたグリル料理もそろえ、客単価は5,000円。営業時間は18時~翌2時(金曜・土曜は翌4時、日曜は24時まで)。