サントリー美術館(港区赤坂9、TEL 03-3479-8600)で8月10日から、「あこがれのヴェネチアン・グラス」展が開催される。
開館50周年を記念して開く同展。今年3月に開催した第1弾「夢に挑む コレクションの軌跡」、第2弾「鳳凰と獅子」に続く、第3弾となる今回。
会場では、ルネサンス期に生まれ、ヨーロッパ各国の貴族の憧れとなっていたものから、造形的に影響を受けたヨーロッパや日本のガラスなど、現代の作品までを一挙に紹介する。
ガラス職人アンジェロ・バロヴィエール(1460年没)らの研究で開発したガラス素地「クリスタッロ」で制作された作品など、15世紀から16世紀にヨーロッパ全土を席巻したベネチアン・グラスを紹介する「第1章:ヴェネチアン興隆~技術の応酬」に始まり、ヴェネチアの職人技術「ファソン・ド・ヴニーズ(ベネチア様式)」が流出したことで、ヨーロッパ各地で制作されたさまざまなベネチア様式のガラスを紹介する「第2章:流出したヴェネチアン~『ヴェネチア様式』の誕生」、「第3章:ヴェネチアンと和ガラス」では、日本に渡ったベネチアン・グラスの資料と、和ガラスの共通性を探る。「第4章:ヴェネチアン再興~19世紀イタリア」は、停滞していたベネチアのガラス制作が、再び活気を取り戻すまでに至った作品づくりの道のりを紹介し、現代の作品を展示する「第5章:今に息づくヴェネチアン~現代アートへの影響」などで構成する。
同館の土田ルリ子学芸副部長は「ルネサンス期から現代まで約150点の作品でベネチアン・グラスの魅力を網羅的に見る展覧会。世界を魅了した繊細で優美な輝きを、この夏ぜひ堪能していただければ」と話す。
開館時間は10時~18時(水曜・木曜・金曜・土曜、9月18日・23日、10月9日は20時まで)。入場料は、一般=1,300円、大学・高校生=1,000円、中学生以下無料。火曜定休。10月10日まで。会期中、トークライブ、親子見学会なども予定する。