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六本木ヒルズで森ビル総合震災訓練-東日本大震災の経験踏まえ

消化器を使っての消火訓練

消化器を使っての消火訓練

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 防災の日を翌日に控えた8月31日、六本木ヒルズ(港区六本木6)で森ビルの総合震災訓練が行われた。「逃げ出す街から逃げ込める街へ」をコンセプトを掲げる同ビルでは、従業員の訓練に力を入れており、年に一度の大規模な訓練として、一部従業員による体験訓練と、全社員による震災初動活動訓練が続けて行われた。

地震発生後直ちに設置される震災対策本部

 六本木ヒルズアリーナで行われた体験訓練には同ビルの従業員など約250人が参加。消化器、炊き出し、AED、救急搬送、応急手当、ロープ、地震体験、煙体験などの訓練を順次行った。起震車による地震体験では思わず「わっ」と声が出てしまう体験者も多く、「わかっていても揺れが来ると慌ててしまう」という声も。煙が充満したテントの中を歩く煙体験では体験者は「本当に何も見えなかった」と口々に話した。

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 震災初動活動訓練では東京23区内で震度6強の地震が発生したという想定で、震災対策本部が設置され、六本木ヒルズだけでなく森ビルが管理する周辺のビルの被害状況の確認、情報の収集、それに対する対策の指示などの訓練が行われた。

 この際用いられる「震災ポータルサイト」は森ビル独自のシステムで、森ビルが管理する150棟を超えるビルをインターネットで結んで情報を収集・共有することで、係員の安否やビルの被害状況、復旧業務の進行具合などがリアルタイムに管理することができる。東日本大震災に際して、同ビルでは備蓄品から、帰宅困難者向けに約1500人分の飲料水、非常食、毛布などを配布。この経験から「震災後には備蓄の一覧をシステムに加える改良を行った」と担当者は話す。

 さらに、同社では六本木ヒルズの近隣に約200戸の防災社宅を設け、その居住者を防災要員と位置付け、業務時間外でも迅速な初動活動を行えるよう備えている。今回はその防災要員による六本木ヒルズレジデンス内での訓練も実施され、防災井戸の設置や高層階からのけが人の搬送が行われた。

 森ビルでは全社員による訓練を年2回、防災要員による訓練を年に8回行い、災害に備えている。

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