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国立新美術館で抽象画家・辰野登恵子さん、写真家・柴田敏雄さん二人展

柴田敏雄「埼玉県秩父市」(2007年、Type-Cプリント、80.0×100.0cm、東京国立近代美術館蔵)

柴田敏雄「埼玉県秩父市」(2007年、Type-Cプリント、80.0×100.0cm、東京国立近代美術館蔵)

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 国立新美術館(港区六本木7)で8月8日、抽象画家の辰野登恵子さんと写真家の柴田敏雄さんの二人展「与えられた形象-辰野登恵子/柴田敏雄」が始まった。

辰野登恵子「UNTITLED95-1」(1995年、油彩/カンヴァス、291.0×238.0cm、愛知県美術館、撮影:成田弘)

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 辰野さんと柴田さんは東京芸術大学の油画科の同級生で、大学在学中からグループ展などに参加。辰野さんはその後も画家としての活動を続け、1995年には東京国立近代美術館で個展を開くなど抽象画家としての地位を確立した。柴田さんは1970年代半ばから写真による制作を開始、国際的に高い評価を得て、1992年には木村伊兵衛写真賞受賞も受賞した。

 同展は1995年に東京の画廊で行って以来の二人展で、これまでで最大規模のもの。二人の作品が展示されたイントロダクションに始まり、辰野さんの花模様のモチーフなどを展示する「1980年代」、柴田さんがコンクリート構造物などをモノクロームで撮影した作品を展示する「日本典型」、辰野さんの「円と丸から」、柴田さんの「シカゴ現代美術館の25点」と、二人の作品をほぼ交互に展示する。中盤には二人の初期作品、最後には二人の新作の展示があり、両者の作品を結びつける工夫も凝らしている。作品数は辰野さんが約100点、柴田さんが約200点。

 同美術館の担当者は、「二人の共通点は、外部世界の中に見いだされた偶然的な形象から出発しながら、高度な抽象性を持った造形的に自律した作品を生み出している点。この世の中にすでにあるカタチ(形象)を材料として、それぞれ独自の抽象的な世界・作品を作り上げているところが共通している」と話す。

 開館時間は10時~18時(金曜は20時まで)。火曜休館。入場料は一般=1,000円ほか。10月22日まで。

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