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六本木で「ベストプリント」写真展-銀塩写真でしかできない表現追求

広川泰士「Ululu, Northern Territory, Australia」

広川泰士「Ululu, Northern Territory, Australia」

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 AXISギャラリー(港区六本木5、TEL 03-5575-8655)で10月1日、銀塩写真の楽しさ、面白さを表現する写真展「ゼラチンシルバーセッション」が始まった。

希望落札価格を記入し、最高額をつけた人に落札される「サイレントオークション」も同時開催

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 今回で6回目となる同展のテーマは「ベストプリント」。国内外で注目を集める写真家51人が参加し、銀塩写真でしかできない表現を追求、展示する。

 「世の中がデジタル化され、フィルム自体の生産量が減った。日本では富士フイルムだけが頑張っているが、フィルムの素晴らしさを伝え、残したいという写真家たちの思いに賛同し、開催した」と同ギャラリーの佐野さん。会場にはデジタルプリントと印画紙プリントを比べる展示をするなど、実際の目で見て、知ることで、技術や機材、フィルム、印画紙などを守りたいという「思い」をつなげていく。

 「思い」に賛同する写真家は年々増え、浅田政志さん、石塚元太良さん、市橋織江さん、井津建郎さん、Bruce Osbornさん、上田義彦さん、操上和美さん、小林紀晴さん、小林伸一郎さん、今道子さん、鋤田正義さん、泊昭雄さん、ハービー・山口さん、三好耕三さん、森山大道さんなどが参加。特別展示として、今年2月に亡くなった石元泰博さんの作品も数点展示する。「(石元さんの)この展示を見に来るだけでも価値がある」と三好耕三さん。石元さんが2010年の同展に参加し来場した際の写真も添えられている。

 写真の「サイレントオークション」も同時開催。収益の全額を東北の復興支援として寄付する。10月13日には、石塚さん、津田直さん、広川泰士さん、八木清さんによるトークセッションを予定。ゲストに第1回の企画構成・コーディネートを担当した幅允孝さんを迎える。

 「デジタルなど新しいものを取り入れないといけないのは分かっているが、フィルムをなくしてはいけない。シャッターを押して、現像が上がるまでの『どう撮れただろう』という時間を体得する事が大事である。若い学生はデジタルしか知らないので、『これは何ですか?』と新しいものとして捉えている。フィルムの良さを感じ取る力のある若い人たちに出会いたい」と三好さん。

 開催時間は11時~20時(最終日は19時まで)。入場料=500円(学生無料)。10月17日まで。

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