ラフォーレミュージアム六本木(港区六本木1)で3月1日、「スター農家」を選出する「スター農家発掘オーディション」が開催された。
未来の農業を変えることを目的に、「JA全青協(全国農協青年組織協議会)」「マイファーム」「4Hクラブ(全国農業青年クラブ連絡協議会)」「農家のこせがれネットワーク」の4団体のコラボレーションで開催された「Agri-Station festival 2013」。その中で同企画は、新規就農希望者と若手(39歳以下)農業者を対象に、自らの夢を発表し、オーディション形式で勝ち取るビジネスプランコンテストとして行われた。
46人の応募から1次審査を通過した新規就農希望者部門3人、若手農業部門5人が、スポンサー企業27社を前に、1分間の動画と5分間の公開プレゼンテーションに臨んだ。
大賞を受賞したのは、新規就農希望者部門から古川貴倫さんの「豚とサツマイモ」プラン。養豚場を営む家に生まれ、商社に勤務。「(商社勤務をしながら)農家に利益を生み出す方法を考えていた」と言い、養豚場産のサツマイモが良質な堆肥により甘みが強くおいしくなることから、「古川養豚場」産サツマイモをネット販売。年間3000件以上の販売を記録しているという。閉鎖に追いやられる養豚場の再生にも一役買えるとプレゼンテーション、勤務していた商社にはすでに退職届を提出済みといい、今後本気で取り組んでいくための支援を求めた。
実行委員の一人、自身も「みやじ豚」を扱うNPO法人「農家のこせがれネットワーク」代表理事の宮治勇輔さんは、「自分のサラリーマン時代を思い出し、感動した。すぐ成功すると思う。うちも『サツマイモ、パクッちまおうガーデン』を作ろうかな(笑)」などと笑いを取りつつ、「協力できることを画策したい」と支援を名乗り出た。
実行委員長の大越正章さんは、「厳しく審査させていただいた。初めての企画だが、実行委員を含め全ての人が農業に携わっている。農業はもうからないと思われていることを覆したい。さまざまな新アイデアのプレゼンに感銘を受けたのでは。これが農業者なんです。明るい未来しかない。多くの農業青年が未来に羽ばたいていけると思う。日本の農業が発展していくよう支援をよろしくお願いします」と締めくくった。