国立新美術館(港区六本木7、TEL 03-5777-8600)で8月7日、「アメリカン・ポップ・アート展」が始まった。
1960年代に盛んになった大量生産・大量消費の大衆文化を主題とする一連の芸術動向を指す「アメリカン・ポップ・アート」。同展は世界有数のコレクターとして知られるジョン・アンド・キミコ・パワーズ夫妻が所有する1960年代の代表作を含む、絵画、彫刻、素描、版画、マルティプルなど、約200点の作品で構成。アメリカン・ポップ・アートを総合的に紹介する。
同夫妻は、米コロラド州を本拠地とし、日本美術および現代美術の両分野における、世界有数のコレクターとして知られ、特にポップ・アートにおいてはアメリカにおけるその黎明(れいめい)期である1960年代から、パトロンおよびコレクターとしての積極的な活動により、アート・シーンに大きく貢献。ポップ・アートがまだ評価を確立する以前からその真価を見抜き、作家を直接支援することで、個人コレクションとして世界最大級のポップ・アート・コレクションを築き上げた。
コレクションは、アンディ・ウォーホルの最重要作品の一つ「200個のキャンベル・スープ缶」をはじめ、ロイ・リキテンスタイン、クレス・オルデンバーグさん、ジェイムズ・ローゼンクイストさん、トム・ウェッセルマンなど、アメリカン・ポップ・アートの巨匠たち、そしてロバート・ラウシェンバーグ、ジャスパー・ジョーンズさんら先駆者たちの、代表作の数々を含む。しかしながら、本国の美術館でもその全容を紹介する機会が持たれたことは一度もないという。
「ポップ・アートの魅力と真価を紹介したい」と願う主催者の熱意と、日本出身であるキミコ夫人の母国に対する思いが出会うことで初めて紹介することが実現したという。
開館時間は10時~18時(金曜は20時まで)。入館料は、一般=1,500円(団体=1,300円)、大学生=1,200円(同=1,000円)、高校生=800円(同=600円)。10月21日まで。