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国立新美術館で「アーティスト・ファイル2015」 日韓の現代美術家12人紹介

展示の様子

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 国立新美術館(港区六本木7)で7月29日、日韓の若手作家12人を個展形式で紹介する展覧会「アーティスト・ファイル 2015 隣の部屋-日本と韓国の作家たち」が始まった。

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 「アーティスト・ファイル」展は、2008年から同美術館が「今最も新鮮で充実した活動を行っている現代美術家を、個展の集合体の形で紹介する」というコンセプトのもと開催してきたグループ展で、今回が6回目。これまでは国籍に制限は設けず、日本国内の作家と海外の作家を合わせて紹介してきた。今回は、日韓国交正常化50周年にあたることもあり、韓国国立現代美術館との共同企画で日本と韓国それぞれ6人の作家を選定、合計12人の作家を個展形式で紹介するグループ展とした。

 第1室のヤン・ジョンウクさんの作品は同展のために制作した新作「あなたと私の心は誰かの考え」1点で、木などの素材を組み合わせた器械を電球が照らしており、作品そのものと作品が壁に落とした影の動きで表現するというもの。第5室の小林耕平さんの作品は「タイムトラベルは土下座の強要である。」などの文章がタイトルとなった作品で、日用品を組み合わせたオブジェや映像作品で構成する。

 第6室のイ・ウォノさんの作品は、路上生活者から買い取った段ボールハウスを組み合わせ作った巨大な家と、その過程を映した映像、買い取る際に交わした契約書を展示するというもの。第9室の冨井大裕さんは、日常生活の中で発見した「彫刻的なるもの」の写真を毎日発表している「今日の彫刻」をスライドショーで展示する作品「今日の彫刻(110908-150531)」や、ごみを写した写真13枚を床から天井まで縦に並べた作品、板で囲まれた中にあるチョロQを来場者が動かせる作品「running composition」などを展示する。

 韓国国立現代美術館で同展のキュレーションを担当したカン・スジョン学芸員は「韓国と日本の同時代を生きている作家の目に社会がどう映っているのか、それが美術館でどう表現されるのか見てもらえれば」と話す。

 他の出品作家は、イン・フンスンさん、キ・スルギさん、イ・ヘインさん、イ・ソンミさん、南川史門さん、百瀬文さん、手塚愛子さん、横溝静さん。イム・フンスンさんと百瀬文さんのコラボレーションによる映像作品「交換日記」の上映も。

 開館時間は10時~18時(金曜は20時まで)。火曜休館。観覧料は一般=1,000円など。10月12日まで。

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