国立新美術館(港区六本木7)で6月14日、「国立新美術館開館10周年 ジャコメッティ展」が始まった。
アルベルト・ジャコメッティはスイスに生まれ、フランスで活躍した20世紀のヨーロッパにおける最も重要な彫刻家の一人とされる。アフリカやオセアニアの彫刻やキュービスム、シュールレアリスムに影響を受けた作品を制作し、1935年から、体を線のように長く引き伸ばした独自の彫刻スタイルを創出した。
同展は、南フランスのマーグ財団美術館のコレクションを中心に、ジャコメッティの作品を所蔵する国内コレクションを含む、初期から晩年までの彫刻、油彩、素描、版画など約130点が集結。ニューヨークの広場のために制作された3点の大作、「歩く男I」「女性立像II」「大きな頭部」もそろって出品される。
同館の長屋光枝学芸課長は「彫刻作品は、わずか3センチの作品から、2メートル75センチの作品までバラエティー豊かに取りそろえた」と語る。「ジャコメッティは細長い人物像の彫刻で有名だが、デッサンやリトグラフなど線で描かれた作品も魅力の一つ。さまざまな表現のあり方を、皆さんに感じ取ってもらいたい」とも。
開催時間は10時~18時(金曜、土曜は20時まで)。火曜休館。入場料は一般=1,600円、大学生=1,200円、高校生=800円など。9月4日まで。