麻布十番の老舗和菓子店「紀文堂」が100周年-三代目「よくもったなあ」

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 今年で創業100周年を迎えた麻布十番の老舗和菓子店「紀文堂」(港区麻布十番2、TEL03-3451-8918)が「和菓子の日」(6月16日)に合わせて今月5日・6日、ワッフルを「100円」で販売した。

 三代目の現店主・須崎正巳さんの祖父が浅草の紀文堂本店で修行後、のれん分けしてもらい、1910(明治43)年に麻布十番で開業。一枚一枚丁寧に焼き上げ上げる「手焼き」にこだわった店として、七福神人形焼、紀文せんべい、おかきあられを販売。原料は有機のものだけを使用し、化学合成添加物は一切使用しない。

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 100周年を迎えたことについて、正巳さんは「100年なんですね。『よくもったなあ』という言葉に尽きる。4代目となる息子の雅紀とこうやって記念すべき年を迎えられることができたことを非常にうれしく思う」と話す。「バブルの崩壊後、売り上げが一気に落ち、どうしようかと思ったが、地下鉄の開通がありしばらくは盛り返した。原油の高騰などで原料の値上げによる苦労もあったが、伝統の家業を何とかこうして守ってくることができた。これも足を運んでくださるお客さまがあってこそ。先代が築き上げてきた味を落すことなく、4代目ともにこれからも頑張っていきたい」とも。

 4代目となる雅紀さんは「わたしがこの店を継ごうと思ったのは自然な感情の中でのこと。小さいころから店で遊ぶことが多く、父の姿を見て育ってきた。菓子専門の学校でさまざまな菓子について学び、西麻布の菓子店で修行し、実家に入って早10年。父や祖父が守り続けてきたこの店をさらに良くしていきたい。先代の味を損なわぬよう頑張っていきたい」と意欲をみせる。

 最近の麻布十番については、「ここ何年かで個人経営店が何軒も閉まったことが寂しい。新しい形態のチェーン店が続々麻布十番に進出してきたが、時代の流れであるのは仕方のないこと。やはり、一緒に時代を乗り越えて来た個人経営店が活気があることがこの街の良いところ。大切にしていかなければ」と正己さん。

 店を訪れた麻布十番在住の70代の女性客は「ここの人形焼きを小さいころから食べて育った。食べるといろいろことを思い出す。味も昔から全く変わらないのはうれしい」とほほ笑む。

 店内には、しっかりとした分厚い生地にクリームを挟んだ和製ワッフル「カスタードクリーム」「あんずジャム」(以上130円)、「期間限定抹茶クリーム」(170円)、おかき&あられ、十勝産小豆を使用した七福神人形(100円)、シソやみそ味、ショウガなど9種類の味が楽しめる手焼き紀文せんべい(389円~)などが並ぶ。

 営業時間は9時30分~19時。火曜定休。

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