六本木ヒルズ(港区六本木6)で3月19日~22日、人形浄瑠璃文楽の屋外公演「にっぽん文楽」が上演される。主催は日本財団(港区)。
福岡県筑紫野市で仮組みをされている移動式組み立て舞台(写真提供:日本財団)
人形浄瑠璃「文楽」の価値を多くの人に再認識してもらおうと始まった「にっぽん文楽」プロジェクト。大阪府の補助金見直しなどの問題に直面している文楽に対し、同財団が計1億5,000万円を支援。銘木の産地・吉野から切り出したヒノキを使い、間口5間、奥行き4間と太夫座を設けた文楽専用の移動式組み立て舞台を作成。現在、福岡県筑紫野市の工房で仮組みされている。
会場には約300席を用意し、約100メートルの伝統的な染の幔幕(まんまく)がぐるりと取り囲む。現在の劇場ではタブーともされる上演中の「飲食」も認められ、本格的な特製弁当(予約制)や甘味、純米酒などを用意する。
出演者は、日本芸術院賞などに輝く文楽を代表する人形遣い・吉田玉女さんをはじめとした一線級の顔ぶれで、玉女さんは4月に人間国宝だった師匠の名跡「玉男」を襲名することが決まっており、「玉女」としての最後の舞台となる。
演目は、舞台披(ひら)きにふさわしく祝儀物の「二人三番叟」と、道成寺物の名作「日高川入相花王 渡し場の段」の2本。 開演前の「ショートトーク」では、元NHKアナウンサーで古典芸能解説者の葛西聖司さんと、「リンボウ先生」として知られる作家・国文学者の林望さん、料理評論家の山本益博さんが、それぞれの視点から「にっぽん文楽」の楽しみ方を語る。
同公演は六本木ヒルズを皮切りに、東京オリンピックが開催される2020年までの6年間、大阪など全国各地を巡演する予定。
開催日時は、昼の部=12時~13時30分、夜の部=18時30分~20時。席料は2,000円(全席自由。前売り券は終了。当日券を販売予定)。