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麻布十番の「らーめん たくみ」が30周年 「女性が入りやすい店」コンセプトに

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 麻布十番の「らーめん たくみ」(港区麻布十番1)が7月26日、創業30周年を迎えた。

店主の宮田匠さん

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 「女性が入りやすいラーメン店」をコンセプトに、1990(平成2)年にオープンした同店。朝6時まで営業するラーメン店として地元在勤者または在住者を中心に今も多く親しまれている。

 店主を務める宮田匠さんは、25歳でサラリーマンを辞めて飲食業に転向。中華料理店勤務を経て恵比寿の「らーめん香月」で修業を積み、32歳で独立して同店を開いた。「当時はバブル末期でラーメン店の需要が高かったため、物件の確保は難航した。1日に何軒も不動産屋を回る中で偶然今の物件を見つけたが、ほかにも希望者がおり、大家さんが選考することになった。大家の息子さんが『らーめん香月』のファンだった縁から店を出せることになったが、ラッキーだった」と笑顔で当時を振り返る。

 ターゲットは女性に設定した。宮田さんは「開店当時は今よりも女性が単身でラーメン屋を訪れることは一般的ではなく、椅子を女性でも座りやすい高さに設定し、カウンターも女性が食べやすいように低くした」と話す。

 これまでの30年間については「開店当初は、ラーメンはしょうゆ味、アルコール類もビールしか用意していなかったが、常連客のリクエストを聞いているうちにメニューを増やした。毎日同じことを繰り返すことはかなり大変だったが、ラーメンを食べたお客さまが誰に言うでもなく『あ、おいしい』と、つぶやくみたいに言っているときはすごくうれしいし、肥やしになっている」と語る。

 現在は、しょうゆ、塩(以上700円)、みそ(800円)の3種に加え、冷やし中華(1,100円)や担々麺(1,000円)をラインアップする。ビール(400円)などのアルコール類も用意し、ドリンクは店内の冷蔵庫から客が取り出すセルフサービスとしている。

 「豚骨をメインに鶏ガラを加えた透明であっさりしたスープは、深夜に食べても罪悪感がなく、しつこくないと、高い年齢層のお客さまからも好評を頂いている」と宮田さん。「1人で来店した女性のお客さまが酔っぱらいに絡まれたら止めに入る。ほったらかしにはしないので安心して来店してほしい。10年後、40周年というと70歳を超えているので続けられているかは分からないが、やれるだけのことはやりたい。まだ訪れたことがない人は一度足を運んでほしい」とも。

 営業時間は20時~翌6時。日曜・祝日定休。

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