東京ミッドタウン内のデザイン施設「21_21 DESIGN SIGHT」(港区赤坂9、TEL 03-3475-2121)で10月5日より、第2回企画展「water」が開催される。
展覧会は、同施設のディレクターで、グラフィックデザイナーの佐藤卓さんがディレクション、「Sensorium(センソリウム)」や「触れる地球」の活動で知られる文化人類学者の竹村真一さんがコンセプト・スーパーバイザーを担当する。
写真家、デザイナー、エンジニアなど幅広い分野の専門家でチームを結成し、水に関するリサーチやディスカッションを経て、展示、出版、ウェブサイト、トークショー、ワークショップなど複数の企画を実施する。
展示は、「水の記憶」、「水の魔法」、「水の履歴」、「水の惑星」、「水の都市」の5テーマで構成する。メーンの展示室中央部分には、佐藤さんを中心に制作した作品「水の器」が12点並ぶ。器には水が張られており、底を覗くと水にまつわる映像を見ることができる。展示室脇には、デザインエンジニアリングファーム「takram(タクラム)」を中心に制作した「ふるまい」を置く。ふるまいは、超撥水加工を施した紙皿の上に、スポイトで水滴を落すと、水滴が皿の上を踊るユニークな作品。
このほか、グラフィックデザイナーの原研哉さんによるオリジナルの「鹿威し(ししおどし)」や、写真家の石元泰博さんの作品「落ち葉」、竹村さんによるインタラクティブ地球儀「水球儀」など、水を視覚・触覚的に体験できる作品を多数展示する。
開幕前日に開催された記者発表会で佐藤さんは、展示準備を振り返って「デザインするという言葉の中には、能動的な意味合いが強くあるように思う。しかし、水と向かい合っていると、教えられることや単純に面白いと思えることがたくさんあり、何かをしてやろうという気持ちがなくなった。水が、どんな展示をするのか、どういうふうに水と人をつなぐか、ということを教えてくれるような体験をした」と話した。
また、竹村さんは「水というのは現代の最も重要なデザイン課題だと思う。(私たちは)水がどういう形で循環し、私たちのところへ来るのか、あるいは蛇口から出る水がどこからどうやって来るのかを知らない・見えない状態で暮らしている」と話し、「日常の暮らしのなかで、水のあり方とか見えない水の消費にもう少しセンシティブになれるような回路をデザインしていくことが、現代に必要とされるデザインワークなのではないかと思う」と話した。
開催時間は11時~20時(入場は19時30分まで)。火曜定休(10月30日は開館。12月30日~1月3日は休館)。料金=一般1,000円ほか。2008年1月14日まで。期間中には、佐藤さんと竹村さんによるトークショーや、書道家の竹田双雲さんによるパフォーマンス、こども向けのワークショップなど多数イベントを開催予定。また、青山ブックセンターとのコラボレーションにより、店内でトークイベントを開催する。