アクシスギャラリー(港区六本木5)で8月30日、デザインの未来を担う人材を紹介する「第7回 金の卵 オールスターデザインショーケース」が始まった。
同展は各大学から選抜されたデザイン系学部の3年生や大学院生の作品を紹介する企画。今年は「スマートライフ-エネルギー再考」をテーマに、18の大学から学生の作品34点と、大学の取り組みとして千葉大学の「植物工場」と「おもてなしハウス」、東北芸術工科大学の「house-m」を展示する。
学生の展示作品は、微生物燃料電池の原理を利用したイヤホン「音葉 -otoha-」(首都大学東京・足助祐作さん)、太陽光パネルを備えた洗濯ばさみが電球になるというコンセプトモデル「0w(ゼロ・ワット)」(岡山県立大学・佐野友彦さん)、梱包(こんぽう)用の箱を流通させるゲームで資源の大切さを考えさせる「箱戦記」(筑波大学・西村渉さん)、使用している電力と電気代を表示できるコンセントタップ「L.O.L(Laughs Outlet Loud) エル・オー・エル」(日本大学・前田紗希さん)など。
千葉大学の「植物工場」は実際に葉物野菜やアスパラガスを育てるプラントを展示。企業との協力によりすでに出荷もされているといい、30日のレセプションではその野菜も振る舞われた。
同ギャラリーのキュレーターを務める佐野恵子さんは「3年生の作品は卒業制作に比べて完成度は低いが、ここで展示することで学生たちは社会とつながりを持つ機会を得ることができるというコンセプトで企画している。テーマも社会を俯瞰(ふかん)したときにデザインに何ができるのかという学生の時にしかじっくり考えることができない課題に取り組んでほしいと思い設定した。難しいという声もあったが、学生の熱意や思いを感じてもらえれば」と話す。
開館時間は11時~20時(最終日は17時まで)。入場無料。9月9日まで。同1日14時~、4日18時30分~、6日18時30分~、出品学生らがプレゼンテーションも行う。