六本木のラーメン店「まる彦」(港区南青山1、TEL 03-3796-0888)が3月2日、移転オープンした。
1998(平成10)年、港区赤坂にオープンした同店。「北海道味噌(みそ)らーめん」(800円)などの味噌ラーメンをメインに「元祖うにつけ麺」(900円~)や「塩らーめん」(750円)、「チャーシューめん」(1,050円)などを提供する。
店主を務めるのは、山口県防府市出身で元銀行員の原田充彦さん。六本木は学生時代飲みに訪れた経験があり、なじみがあったことからオープンの地に選んだ。クラブや飲みなどで遊んだ終えた客をターゲットに朝まで営業した。2000(平成12)年、六本木駅方面に100メートル進んだ先にあった防衛庁(当時)の施設(檜町駐屯地)が移転したため夜になると辺り一体は暗くなり、その影響から客足は遠のいた。
転機が訪れたのは2007(平成19)年。檜町駐屯地跡に複合施設「東京ミッドタウン」が開業した。同施設で働く人や買い物目的で訪れた人たちなどが利用し始め、客数は伸びた。これまでと比べてビジネスマンの姿を多く見掛けるようになったという。
2016(平成28)年3月には、当時アイドルグループ乃木坂46のメンバーだった衛藤美彩さんが「お薦めの店」としてテレビ番組で紹介。放送翌日にはファンが押し掛け、オープン前には長蛇の列ができた。3カ月後には原田さんが、衛藤さんがよく注文する味噌ラーメンと出身地である大分名物「高菜めし」をセットにした「みさ先輩セット」(950円)を考案。ファンの間で話題となり、今や聖地として訪れるファンのほとんどが注文する人気メニューとなった。衛藤さん本人も食べたことがあるという。
今回の移転は、ビルの建て替えなどの理由から退去を余儀なくされた。遠方から訪れる衛藤さんのファンのため、乃木坂駅周辺で物件を探し、約350メートル乃木坂駅方面に進んだ場所へ移転。店内には13席増やした46席を設けた。
原田さんは「六本木エリアは遠方から来る人たちにとって憧れの場所なので、良い思い出をつくってほしいと願って日々ラーメンを作っている」と話す。「衛藤さんのファン同士がつながる交流の場ともなっており、今後も衛藤さんやファンの活動を応援していきたい。まだ訪れたことがないという人は、気軽に足を運んでほしい」とも。
現在の営業時間は11時~20時。