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サントリー美術館で「谷文晁」展-江戸時代の絵師の功績たどる

石山寺縁起絵巻 谷文晁筆 19世紀 サントリー美術館蔵。上)七巻のうち巻四(部分)、下)七巻のうち巻六(部分)。

石山寺縁起絵巻 谷文晁筆 19世紀 サントリー美術館蔵。上)七巻のうち巻四(部分)、下)七巻のうち巻六(部分)。

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 東京ミッドタウンのサントリー美術館で7月3日から、江戸時代の絵師・谷文晁(たに・ぶんちょう)の功績をたどる「生誕250周年 谷文晁」展が開催される。主催は同美術館と朝日新聞社(中央区)。

青緑山水図

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 谷文晁は江戸時代後期の関東画壇で中心的な役割を担った絵師で、狩野派や円山四条派などのさまざまな画風を学び、各画派の折衷に努めて関東南画を大成するとともに、幕府の老中である松平定信に命じられて全国の古文化財の調査を行い、模写や記録を「集古十種」として残した。

 同展では、その谷文晁と人々との交流を軸に5部構成で作品を展開する。第1部は「様式のカオス」と題しさまざまな人との交流から吸収した多種多様な画風を、第2部は「画業のはじまり」と題し10代の文晁が残した作品を、第3部は「松平定信と『集古十種』-旅と写生」と題し文晁が定信の命で行った調査で残した模写などを、第4部は「文晁と『石山寺縁起絵巻』」と題し文晁が補完した「石山寺縁起絵巻」の模本などを、第5部では「文晁をめぐるネットワーク-蒹葭堂・抱一・南畝・京伝」と題し文晁が同時代の文化人と行った合作などを紹介する。

 第4部で取り上げる「石山寺縁起絵巻」は鎌倉時代末期に七巻本として企画されたものの江戸時代に至るまで巻六・七は絵をを欠いていたが、定信の命で文晁が補完したという作品。同展では石山寺に収蔵されている重要文化財である「巻六・七」を展示すると同時に、近年同美術館の所蔵となった文晁筆の「石山寺縁起絵巻」を修復後初公開する。

 会期中にはエデュケーション・プログラムも開催。7月20日14時~15時30分には河野元昭秋田県立近代美術館館長による記念講演会、8月3日10時30分~12時30分には半田九清堂(渋谷区)の半田昌規社長によるワークショップ「絵巻物をつくってみよう!」、同日14時30分~16時30分には半田社長による特別講座を開催する。参加費は講演・講座=700円、ワークショップ=2,500円。参加には事前応募が必要。

 開館時間は10時~18時(金曜・土曜・7月14日=20時まで)。火曜休館(8月13日は開館)。入館料は一般=1,300円など。8月25日まで。期間中展示替えあり。

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