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乃木坂のTOTOギャラリーで建築家・丹下健三コンタクトシート展

会場の様子

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 乃木坂のTOTOギャラリー「間」(港区南青山1)で1月23日、建築家の丹下健三が撮影したコンタクトシートを展示する「TANGE BY TANGE 1949-1959/丹下健三が見た丹下健三」が始まった。

コンタクトシート(「広島平和会館原爆記念陳列館」の一部)

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 丹下健三は日本を代表する建築家の1人で、2005年に亡くなるまでに、代々木体育館、日本万国博覧会フェスティバルプラザ、東京都庁舎など数多くの公共建築などを設計した。同展は、丹下自身が撮影した写真のコンタクトシート(撮影したフィルムを原寸大でプリントし、厚紙などの上に貼り付けたもの)に着目。1949(昭和24)年から59年までの10年間に撮影したコンタクトシート70点余を展示するもの。

 コンタクトシートの被写体となっているのは、丹下の処女作「広島平和会館原爆記念陳列館」「(旧)東京都庁舎」「香川県庁舎」など初期の代表作や、桂離宮やル・コルビュジエが設計したインドの繊維業会館など丹下が訪れた建築、丹下が参加したレセプションの様子など。自身の建築では、建築中の様子などを撮影、雑誌などに掲載するためのトリミングのための赤線などが書き込まれている。

 同展のゲストキュレーターを務める建築家・建築史家の豊川斎赫(さいかく)さんは「このコンタクトシートは丹下にとってスケッチのようなもの。桂離宮の写真のトリミングの仕方に丹下自身の建築への考え方が見えるように、現代建築につながる試みを写真を通じてやっているのだと思う」と話す。

 監修を務めた京都大学の岸和郎教授は「被写体の選び方やトリミングの線の迷いなどから、国を作ってきた英雄としてではなく、1人の建築家としての丹下の営為が記録されているドキュメントだと思った。半世紀を超えて丹下のメッセージがダイレクトに伝わってくる展覧会になったのでは」と話す。

 コンタクトシートの展示配置は壁に書かれた年表と対応し、平行するプロジェクトを丹下がどのように行っていたのかもわかる仕組みになっているほか、引き伸ばした写真と丹下の考えを示すテキストを組み合わせたスライドの上映も行う。

 2月21日と3月7日にはギャラリートークを、3月22日には建築会館ホール(芝5)でシンポジウムを開く。

開館時間は11時~18時。日曜・月曜・祝日休館。入場無料。3月28日まで。

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