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西麻布のホテルで木下令子さん個展-エアブラシで「時間」を表現

日焼けさせた紙にエアブラシでペイントした木下令子さんの作品

日焼けさせた紙にエアブラシでペイントした木下令子さんの作品

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 西麻布のホテル&レジデンス「六本木・ホテルS」(港区西麻布1、TEL 03-5771-2469)で、アーティスト木下令子さんの作品展「折り手操れば、」が開催されている。

マスキングテープを使った作品

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 同展は、滞在型の宿泊やSOHO利用を提案する同ホテルが、アーティストに作品発表の機会を提供する「ARTIST RESIDENCE PROJECT」の一つで、同企画は今回が11回目。会期中、木下さんによる滞在型制作も予定している。

 木下さんは1982(昭和57)年生まれ。武蔵野美術大学在学中から個展などで作品を発表し、同大学院卒業後もさまざまな形で作品の発表を続けている。現在は、エアブラシによるペインティング作品を制作しており、しぶきや日焼けといった人のコントロールが難しい技法を用いて作品を制作している。

 今回の展示では、現在木下さんが取り組んでいる、キャンパスや画用紙ではない既存のものにエアブラシでペインティングを行うという作品を展示。誰かの手によって畳まれた生地のしわや本が入っていた痕跡のある封筒、表紙のない古本など、普段身近な生活の中に埋もれいているものが持つ事実や記憶に焦点を当てる。

 木下さんは「エアブラシを使ってしわや折り目などの凹凸を探り当てる作業は、ペインティングなどとは違い色の粒が空気圧によってゆっくりと物体に飛んでいくことから、その物の持つ過去の記憶を思い出す感覚に似ている」と話す。今回の展示については「このタイトルの中には読点がある。現在過去未来それぞれの通過点となる幕あいの場面に焦点を当てた。しわという現象(ノイズ)には前後があり、物事のささやかな気配につながっている。この形の先に誰かがいる(いた)という皮膚感のような時間を共有できれば」と説明する。

 エントランスロビー、ニシロクラボは観覧自由。レストラン「ココノマ シーズン ダイニング」(営業時間=7時~翌1時)内の作品観覧にはレストランの利用が必要。10月15日まで。

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