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六本木ヒルズで「ポンペイの壁画展」 初公開品など約80点

展示会場の様子

展示会場の様子

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 六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリー(港区六本木6)で4月29日、「世界遺産 ポンペイの壁画展」が始まった。

「カルミアーノ農園別荘、トリクリニウム」

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 ポンペイは西暦79年の火山の噴火により壊滅した古代ローマの都市。18世紀に遺跡が発見され、1997年には世界遺産に認定された。ポンペイ遺跡では、公の施設や個人の家などさまざまな建物から壁画が発見され、「美しさと規模は世界でもほかに類を見ない」といわれている。

 同展は一連の壁画の中から、ナポリ国立考古学博物館、ポンペイ監督局所蔵の約80点を展示する。中にはイタリア国外に持ち出されるのが初めてという展示物も含まれる。

 展示は描かれたテーマごとに「建築と風景」、「日常の生活」、「神話」、「神々と信仰」の4章で構成。監修者の一人、東北大学大学院准教授の芳賀京子さんは「ポンペイの壁画は第1から第4様式に分けることができ、建築を描いたものは第2様式に多い。そこから第3様式、第4様式へと進むに連れモチーフも多様化していった」と説明する。

 第2章では、郊外の別荘の食堂の壁3面を16枚の壁画パネルで再現した「カルミアーノ農園別荘、トリクリニウム」を、第3章では名作と言われる「赤ん坊のテレフォスを発見するヘラクレス」と「テセウスのミノタオロス退治」「ケイロンのアキレウスお教育」の3点を揃えて展示。3点は1739年にエルコラーノのアウグステウムで発見されたもので、芳賀さんは「アウグステウムは皇帝をたたえる建物で、壁画も非常に技術水準が高い。イタリア国外に持ち出されることはほとんど無く、今回は非常に貴重な機会」と話す。

 ポンペイ研究国際センターのウンベルト・パッパラルド所長は「ここ10年間に無いほど大規模の展覧会。作品を見ることによってローマの壁画がどのような発展を遂げたかが見てとれる。いくつかの作品はイタリアやヨーロッパを出たことがないもので、この展覧会は非常に重要度が高いと判断して貸し出すことにした。展覧会を見た後には、豊かな気持ちになってもらえるのでは」と来場を呼び掛ける。

 開館時間は10時~20時。入館料は一般=1,600円ほか。7月3日まで。

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