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西麻布で「LOST & FOUND」展-津波の被害を受けた写真を洗浄し展示

展覧会を企画したカメラマンの高橋宗正さん

展覧会を企画したカメラマンの高橋宗正さん

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 西麻布のギャラリー「AKAAKA」(港区西麻布1、TEL 03-6434-0636)で1月11日、東日本大震災で津波被害を受けた宮城県山元町で発見され、その後、洗浄・複写された写真を展示する展覧会「Lost & Found」展が始まった。主催はLost & Found project。

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 展示する写真は、山元町で社会情報学会の若手研究者を中心に行われている「思い出サルベージアルバム」プロジェクトによって集められたもの。同プロジェクトでは、がれきの撤去作業などを行う中で集まった写真を収集、洗浄、複写し、データベース化して持ち主が見つかったら返すというもの。これまでに500人以上のボランティアが関わり、アルバム約1100冊、バラ写真約1万9200枚が持ち主に返された。

 同展を企画したのは、同プロジェクトに写真の専門家として参加したカメラマンの高橋宗正さん。高橋さんは「作業に参加する中で、手伝いに来てくれた友達が現地で皆『実際に目で見るとこんなに違うんだ』と感想を口にすることに気付き、もっと多くの人に見てもらう機会を作りたいと思い、このプロジェクトを始めた」と話す。展示するのは山元町で発見された写真1000点以上とアルバム1冊、特別に提供してもらった被害の少なかった写真などで、活動内容を伝えるビデオも上映。

 高橋さんは「本当にたくさんの友達が手伝ってくれているが、できることがあればやりたかったという人が思っていた以上に多かった。今回販売するポスターの売り上げの7割は直接、仮設住宅に暮らす人々に届けて自治会費として使ってもらう予定。そのようにして人と人とを直接つなげることで、細い道ではあるが、被災地に何かを贈る道が作れるのでは。ロサンゼルスでも展示の予定があるが、今後もいろいろな所で展示していきたい」とも。

 ポスターは3種類で、各1,000円で販売。運営費を除いた7割を寄付に充てる。入場無料。2月11日まで。

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