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森美術館で韓国現代作家、イ・ブルさん大規模個展-20年の活動を網羅

「ブルーノ・タウトに倣って(物事の甘きを自覚せよ)」
2007年
Photo:Patrick Gries

「ブルーノ・タウトに倣って(物事の甘きを自覚せよ)」 2007年 Photo:Patrick Gries

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 森美術館(港区六本木6、TEL 03-5777-8600)で2月4日から、韓国を代表する現代アーティスト、イ・ブルさんの展覧会「イ・ブル展:私からあなたへ、私たちだけに」が開催される。

「サイボーグ W1」1998年(関連画像)

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 1987年、韓国が民主化宣言をした頃から作品を発表し始めたイ・ブルさんは、新しい社会への人々の期待や不安を表現しようと模索し続けた。1997年に、派手な装飾を施した生魚が腐敗していくプロセスを見せた作品「荘厳な輝き」で、一つの価値観や輝かしい時代が崩壊していく様を表現。この作品はニューヨーク近代美術館で展示されたが、その腐敗臭により、途中で撤去されてしまう。しかし、それが話題となり世界で注目されるようになった。

 その後は、リヨン・ビエンナーレ、ヴェネチア・ビエンナーレなど、国際的な美術館での展覧会や国際展のほか、カルティエ現代美術財団での個展など、韓国を拠点に世界で活動している。

 同展は、イさんの20年にわたる活動を網羅した世界初の大規模個展。自身の身体を使った初期のパフォーマンス作品の映像・写真を展示するセクションをはじめ、人類が思い描いてきた理想の人間像を表現した「サイボーグ」や「アナグラム」などの彫刻シリーズ、建築・都市模型をイメージさせる作品、サブタイトル「私からあなたへ、私たちだけに」と連動させた新作など、4セクションで構成。45点を展示する。

 そのほか、イさんの制作過程の一部を「スタジオ」と題したスペースで紹介。イ・ブルさんが試行錯誤するプロセスを視覚化すべく、150点以上のドローイング、50点以上の模型を展示する。

 「日本では何度か展覧会を開いているが、ここまで大規模なものは初めて。なかなか目にすることのできない展覧会」と同館広報担当の品川知子さん。「人々の期待や不安など、目に見えないものを表現した作品を体感してほしい」とも。

 期間中、イさん自身が語る「アーティストトーク」をはじめ、シンポジウム「理想の社会を求めて」、「キュレータートーク」などの関連プログラムも予定する。

 開催時間は10時~22時(火曜は17時まで。3月20日は22時まで、同24日は翌6時まで)。入館料は、一般=1,500円、学生(高校生・大学生)=1,000円、子ども(4歳~中学生)=500円。5月27日まで。

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