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ヒルズに黒川紀章設計の中銀住宅カプセル-「メタボリズムの未来都市展」で

六本木ヒルズ・クロスポイント前に登場した住宅カプセル

六本木ヒルズ・クロスポイント前に登場した住宅カプセル

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 六本木ヒルズ・クロスポイント前(港区六本木6)に9月12日、黒川紀章設計による集合住宅「中銀カプセルタワービル」(中央区)の一室、住宅カプセルの実物が展示された。

住宅カプセルの中には、生活に必要な最小限の設備が備わっている

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 1972(昭和47)年に竣工した同ビルは世界で初めて実用化されたカプセル建築で、幅2メートル,55センチ×奥行き4メートル,17センチ×高さ2メートル67センチのカプセル140個を、ビルの骨組みにはめ込む形で建設された。それぞれのカプセルには、ユニットバス、ベッド、デスク、キッチン、ラジオ、電話、空調など、生活に必要な設備がコンパクトにまとめられている。

 今回お披露目されたカプセルは、同ビル敷地内にモデルとして展示されていた一基を修復し運び込んだもの。森美術館で17日から開催予定の「メタボリズムの未来都市展:戦後日本・今甦る復興の夢とビジョン」の作品の一部で、公共スペースで展示されるのは初めて。

 同展は1960年代、戦後の日本で活発に展開されていた世界で最も知られる日本初の建築運動「メタボリズム」がテーマ。カプセル建築は、メタボリズム運動のシンボル的存在として国際的に知られたが、「メタボリズム」とは生物学用語で「新陳代謝」を意味し、『生き物が環境に素早く適応しながら次々と姿を変え、増殖していくように、建築や都市も、有機的にデザインされるべきである』という理論に基づいている。

 「当時建築家たちは、家やビルを建てるだけではなく、日本ならではの環境に配慮した『都市作り』という大きなスケールで、未来の日本を思い描いていた」と広報担当者。同展では、建築家たちの理想の都市論や、新しい時代の生活・コミュニティー作りを、数多くの実験的な建築や都市計画から垣間見ることができる。「震災で困難に直面している今の日本に必要なアイデアやヒントがたくさんあり、建築に興味がない人でも楽しく見ることができる」

 会期中、「メタボリズムとはなにか?」をテーマに、インダストリアルデザイナーの栄久庵憲司さん、建築科の菊竹清訓さん、槇文彦さん、レコ・コールハースさん、東京大学先端科学技術研究センター教授の御厨貴さんらを迎えたシンポジウムも予定。詳細はホームページで確認できる。

 開館時間は10時~22時(火曜のみ17時まで、1月3日は22時まで)。入場料は、一般=1,500円、学生(高校・大学生)=1,000円、子ども(4歳~中学生)=500円。2012年1月15日まで(住宅カプセルの展示も同じ)。

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