浅葉克己さんが手がける「祈りの痕跡。」展-文字をテーマに

写真=展示風景

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 アートディレクターの浅葉克己さんが手がける「文字」をテーマにした「祈りの痕跡。」展が7月19日より、21_21 DESIGN SIGHT(港区赤坂9、TEL 03-3475-2121)で始まった。

大嶺實清さんの「家」-李禹煥さんの「線より」を背景に

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 同展は浅葉さんの、「文字とは『伝えたい』という祈りにも似た、人の強い思いの究極の形である」という考えをもとに、「文字の世界」と、文字の前身としての「痕跡」の2つの軸から地球上の様々な表現を紹介していくもの。浅葉さんは中国の象形文字「トンパ文字」ヘの深い造詣をはじめ、「地球文字探検家」としての顔も持つなど、文字の研究でも知られる。

 会場で来場者を迎える最初の作品は浅葉さんとインテリアデザイナーの内田繁さんが制作したインスタレーション「居庸関(きょようかん)」。「万里の長城」に造営され、「西夏文字」の解読の手がかりとなった6種類の文字が刻まれる要塞を独自の解釈で再現した。

 居庸関の中を抜け、次のギャラリーに進むと、現代の作家が手がける様々な痕跡を見ることができる。沖縄の陶作家、大嶺實清(おおみねじっせい)さんによる、沖縄の土を用いた陶芸作品「家」、現代美術家の李禹煥(リ・ウーファン)さんによる絵画作品「線より」、版画家の木田安彦さんによる絵画「不動曼荼羅」など、独自の表現を探求した作家の痕跡をうかがうことができる。

 続く「文字の世界」をテーマにしたギャラリーでは、字游工房(じゆうこうぼう、新宿区)による「游明朝体(ゆうみんちょうたい)R」とアメリカの書体デザイナー、マシュー・カーターさんの「Verdana」書体を並べ、アルファベットと日本の文字の量を比較した「欧文書体と和文書体」をはじめ、グラフィックデザイナーの杉浦康平さんが、歴史上の図像から文字にまつわる意味を解き明かした「文字の霊力」、「05TDC(東京タイプディレクターズクラブ)年鑑 グランプリ」を受賞したアンドレアス・ミュラーさんのインタラクティブ作品「For All Seasons」など、過去から現在までの世界中の文字が並ぶ。

 会場デザインを手がけたのは内田さん、照明デザインは藤本晴美さん、会場音楽は
三枝成影さんが手がけた。開催時間は11時~20時(入場は19時30分まで)。火曜定休(9月23日は開館)。入場料は一般1,000円ほか。9月23日まで。

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