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東京ミッドタウンで「動きのカガク展」 佐藤雅彦さんらの作品展示

クワクボリョウタさんの作品「ロスト #13」

クワクボリョウタさんの作品「ロスト #13」

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 東京ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHT(港区赤坂9、TEL 03-3475-2121)で6月19日、「動き」に着目した作品を展示する「動きのカガク展」が始まった。

作品の仕組みが説明されているのも特徴の一つ。

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 日常生活に欠かせないものとなっている「動く」ツールの仕組みとアイデアが、形となり動き出すというものづくりの楽しさに注目し、アーティストや学生、企業が手掛けた「動く」作品を展示する同展。クリエーティブディレクターの菱川勢一さんがディレクションを行い、21組の作家による23作品を展示する。

 ギャラリー1にあるクワクボリョウタさんの作品「ロスト #13」は、薄暗い部屋に置かれた日用品の間に鉄道模型のレールが敷かれ、そのレールの上をライトをともした鉄道が走ることで日用品の影が壁に映し出されるというもの。立体が平面に投影されることによる形状の変化や、光源との距離による大きさの変化などにより、不思議なアニメーションを生み出す。クワクボさんは「当たり前のものが不安と違った見え方で見えることで情感が喚起される」と話す。

 ギャラリー2に入ってすぐにあるユークリッド(佐藤雅彦さんと桐山孝司さんのユニット)の作品「統治の丘」は、上に円すいを付けたたくさんの棒に囲まれた演台の上に立つと、すべての円すいがその人のほうを向き、指を差すなどすると、その指示に従うという体験型作品。体験型作品は他にも多くあり、パンタグラフの「ストロボの雨を歩く」は、ストロボがたかれた室内で傘を手に持って回すと、傘に描かれた絵がアニメーションのように動くという作品。東北工業大学クリエイティブデザイン学科鹿野研究室による「プロジェクト・モーション/サイクル」は、ひもにつながった木の球体が手元のレバーの操作で動くというもので、「円運動が波に変換される仕組みを体感してもらいたい」という作品。

 作品を説明するキャプションに、仕組みの説明や、制作に使った道具、素材の切れ端などが展示されているのも特徴。学術協力を行った桐山孝司東京芸術大学教授は「デザインと技術の境界領域に入り込んだような展示なので、どういう原理で動いているのかという中身まで踏み込んだ」と話す。

 菱川さんは「兎(と)にも角にも楽しんでもらうこと、体験してもらうことが一番。作家さんが手の内を明かしてくれるという貴重な機会でもあり、桐山先生が原理原則を説明してくれてもいるので、みんなでぺちゃくちゃしゃべりながらワイワイと楽しんで学んでほしい」と話す。

 開館時間は10時~19時。火曜休館。入館料は一般=1,100円など。9月27日まで。

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